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ガンジスに還る

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シュバシシュ・ブティアニ監督の「ガンジスに還る」は、バラナシ(ベナレス)で死を迎える人たちのための宿泊施設”解脱の家”にやって来た老人ラヤーナンド、彼に付き添う息子ラジーブ、その妻と娘のそれぞれの思いと生き方を、ユーモラスに描いた秀作だ。ラジーブ役のアディル・フセインほか、家族の絆や世代間ギャップを浮かび上がらせる俳優たちの好演が光る。
1989年にある事情があってバラナシへ行った。そこで見た細く入り組んだ路地を進む葬列と音楽、バーニングガートから見える火葬される死体。この映画の映像は、何もかも当時のままである。
死は生を照らし出す。死を祝福することは、生を祝福することでもあり、死者と生者のつながりを祝福することでもある。そんなことを考えた若き日の自分。
インドにまだ導かれない方で、インドの死生観に興味を持っている方にお勧めの映画だと思う。また、歌って踊るのがインド映画だと思われている方にも、サタジット・レイのような文学的な映画が好きな人。全てのインド好きの方に観て頂きたい。




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